トラヴィス・ワーカー(TRAVIS WALKER)って?

1970年、この山を背に太平洋を臨む街マリブで、トラヴィス・ワーカーは生まれました。今でこそシルバーアクセサリーの聖地などと呼ばれることもありますが、昔はただの田舎でした。
その頃を振り返り、彼は言います。「欲しいものは自分で作るしかなかった。」バイク、サーフボード、釣り竿、彼の身の周りにある多くの物がその全てを物語ります。そして、同じ考えを持つ仲間と共に、皮革製品を作り始めたのが今の仕事の始まりでした。

そんなトラヴィスを、シルバースミスへと導く大きな切っ掛けを与えたのが、故ガボール・ナギー氏との出会いだったのです。ガボールは、彼の才能を高く評価し、アトリエの壁一面にカンパニーロゴをデザインし描いたペイントに始まり、生涯ガボールのレザーウェアーの製作を依頼するようになりました。
そうして作られた独特な製品は、たちまちLA界隈でも話題を集め、間もなく「革の魔術師」とまで呼ばれるようになったのです。以来彼は、「革と銀」全く別の技術を要する二つの素材を巧みに使いこなすようになり、だんだんシルバーの魅力に取り付かれていくようになります。

彼のジュエリーは長年の経験による高い技術で作り出され、銀のうねりを強調することによって、身に付けた時の一体感をとても大切にしています。また、クロスやスカルをメインに、ガーゴイルやダガー(短剣)などのモチーフを使用して、力強くありながらも仕上げはとても美しく丁寧なんですね。

決して、営利主義にならずアルチザンスピリッツを忘れず、現在はマリブに住居とアトリエを、そしてベニスビーチ近くにショールームを兼ね備えた広大なワークショップを構えました。そこは「革と銀」を扱うには十分すぎるほどのスペースですが、決して人手を増やさず、長年連れ添った信頼のおける極少数のメンバー達と品質を保つことを第一に創作活動に励んでいます。
また、そこには、日々様々な商品やアイデアを求めてやって来る著名人や、ローカルの顧客達も数多くいて、想像を絶する種類の作品が生まれ続けているトラヴィス・ワールドが存在しているのです。
トラヴィス・ワーカーの凄いところ…それは、本人自らの手で行うスタンスを貫く、とても希少なシルバースミスであるということではないでしょうか。